肺静脈および僧帽弁血流速波形を用いた新しい左室弛緩能評価法の検討(内科学)

概要

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僧帽弁拡張早期波(E波)ならび肺静脈拡張早期波(D波)を用いて左室弛緩能の評価法としてE/D比を考案した.健康犬(n=7)を用い,麻酔下で調節呼吸を行った. 3.5-Frのカテーテルを左心室に挿入した.ドブタミン(5.0、10μg/kg/min)およびエスモロール(100、500μg/kg/min)をそれぞれ橈側皮静脈より持続点滴した.僧帽弁血流および肺静脈血流は経胸壁心エコー検査により記録した.心拍数,収縮期左心室圧,±dP/dtはドブタミンによって増加し,エスモロールによって減少した.タウ(τ)はドブタミンによって減少し,エスモロールによって増加した. E波とD波はドブタミンによって増加し,エスモロールによって減少した. E波とD波には有意な相関が認められた(r=0.92).結果として, E/D比はドブタミンによって減少し,エスモロールによって増加した.さらに,E/D比は-dP/dt(r=-0.64)およびτ(r=0.84)と有意に相関した.これらからE/D比は左室弛緩能を反映する可能性が推察された.
2008-04-25