青年期女子の母性準備性について : 家庭環境,友人関係,結婚観および出産観との関連について

概要

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母性の形成要因の1つとして,家庭環境,特に両親との関係,生育史,社会文化的な影響,育児体験などがあげられていることから,発達段階において達成すべき課題と母性準備性は何らかの関連があると思われる。そこで,本研究では,未婚の青年期女子559人を対象として,自記式質問紙調査を行った。内容は,青年期の女子における母性の準備性に関する意識を測定する母性準備性尺度の内容として「乳幼児好意感情尺度」と「育児への積極性尺度」を用いて,家庭環境,友人関係,結婚観や出産観とどのような関連があるのかを検討した。その結果,「乳幼児好意感情」と「育児への積極性」がともに高まったのは,家庭環境として母親に対する肯定的な感情,親の育て方の満足度,家事の手伝いをしていることであった。また,友人関係では信頼できる友人がいること,さらに将来,結婚や出産の希望をもっていること,中学や高校時代に育児体験があることであった。以上のことより,母性準備性は発達過程での課題を達成していくことにより形成していくことが示唆された。