ゲッキツとウンシュウミカンに対するミカンキジラミ成虫の選好性比較
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概要
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ミカンキジラミDiaphorina citriはカンキツグリーニング病のアジア型病原体Candidatus Liberibacter asiaticusを媒介するカンキツ類の重要害虫である(Capoor et al., 1967; Martinez and Wallece,1967).本種はわが国では奄美大島以南に分布しているが(Miyatake,1964),屋久島(牛牧,2002)や指宿市(井上,2007)でも生息可能なことが明らかになっている.ミカン科のカンキツ属Citrusやゲッキツ属Murrayaを寄主とするが,芽や展葉初期の新梢にしか産卵しないため,個体数増加は芽の発生量と深い関係がある(Husain and Nath, 1927; Catling, 1970).また,わが国ではカンキツ類よりゲッキツMurraya paniculataでの生息密度が高い傾向が認められている(芦原,1997;安田ら,2005).このような寄生性の相違の要因を明らかにすることは,本種の発生動態の解明や防除法の開発上重要と考えられる.安田ら(2005)はゲッキツとシークワーサ- Citrus depressaにおける生息部位について検討し,いずれの植物においても,新芽を好む傾向を実験的に明らかにした.しかし,ゲッキツとカンキツに対する選好性の差については明らかにされていない.本論文では,ミカンキジラミ成虫のゲッキツとウンシュウミカンCitrus unshiuに対する定着性と葉と芽に対する選択性について比較試験を行ったのでその結果を報告する.
- 2008-02-25
著者
-
芦原 亘
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所
-
池田 綱介
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所
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池田 綱介
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所:(現)財団法人岡山県環境保全事業団
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