9012 芝・文昭院霊廟の構造形式と彫物(日本:神社(2),建築歴史・意匠)
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概要
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徳川家霊廟の建築は、江戸時代の彫物を多用する建築を論じる際には、基準作となるべき重要な建築である。しかし、その多くは戦災で焼失した。それらに関する戦前の報告や著書はあるが、いずれも当時の状態をそのまま記したものであった。筆者はこれまでにも、失われた徳川家霊廟の建築を、絵図や文献的史料から復元的に考察してきた。しかし、立面図や断面図に相当する建地割図が少なく、文献的史料からでは理解しにくい面があった。芝増上寺にあった文昭院霊廟もそのような例である。また、構造形式についても、徳川家霊廟に大差はないと考えられてきた面があり、装飾を論ずる際にも構造の不十分な理解の上で、それなくして装飾を正確に論じることはできない。 本稿は、今回見出すことができた文昭院霊廟の建地割をも用い、その構造形式が従来とは異なり、それ以前の霊廟とほ異なる形式であったことを指摘した上で、彫物の位置を確認し、彫物による装飾について考察するものである。
- 2007-07-31
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