L2英語における目的語格標示 : 日本人英語学習者の発話コーパス研究
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概要
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日本語と英語は類型論的に見ると共に主格対格言語(nominative/accusative language)であるが,日本語には,英語に存在しない主格目的語構文(nominative object construction)が存在する。つまり,日本語は目的語であっても(述語が状態動詞の場合)主格に標示されうる。本研究では,Schwarts(1998)やShwartz and Sprouse(1994,1996)の唱える完全転移仮説(full transfer hypothesis)の予測するように,この違いが日本語母語話者のL2英語文法における目的語格標示に影響を及ぼすことがあるのかを検証する。日本人英語学習者の発話コーパスの分析の結果からは,完全転移仮説の予測に反して,日本語の主格目的語がL2英語の格表示に影響しているという明示的証拠は得られなかったことを報告する。Japanese and English are of the same type in that they are both nominative/accusative languages. The former but not the latter, however, may have an object marked with nominative when the predicate is stative. The present study tackles the question of whether the difference would bring about an influence on object Case-marking in L2 English by Japanese learners of English (JLE), as the Full Transfer Hypothesis in Schwarts (1998) and Shwartz and Sprouse (1994, 1996, 2000) predicts. The results from the JLE speaking corpus used in this study show no clear influence from Japanese 'nominative objects.'
- 2008-02-28
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