2.2 森林の年間蒸散量に関する研究 : 葉の生涯蒸散量からのスケーリング
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概要
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瞬間光合成量から葉の生涯光合成量を求め、それをもとに森林の生産量を求めるという基本的アイデアを葉の蒸散量にも適用しようとする場合、葉の蒸散労働時間と葉の光合成労働時間の関係、瞬間蒸散速度と瞬間光合成速度との二つについての知見が必要となる。この研究では1)蒸散労働時間は光合成労働時間に比例する、2)瞬間蒸散速度は瞬間光合成速度の関数として表される、の2つを仮説として提唱し、コナラとブナにおける実測によって検証した。コナラについて求めた、日中の蒸散労働時間は光合成労働時間とほぼ等しいことが解った。夜間の蒸散および呼吸を考慮すると、1日の蒸散労働時間は光合成労働時間の1.2倍で近似できることが明らかとなった。また瞬間蒸散速度は瞬間光合成速度と比例することが、ブナでの測定例で明らかとなった。以上から、葉の生涯蒸散量を明らかとするとともに、森林蒸散量推定への道を開くこともできた。
- 石川県立大学の論文
- 2007-03-31
著者
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