中学校剣道授業における授業分析 : 4大教師行動と形成的授業評価から

概要

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日本では、これまでに小中学校の体育授業中における教師行動の実態の分析が行われてきたが、剣道の授業についての分析は取り組まれてこなかった。剣道を対象に授業研究をした場合、着装(面をつける)してしまうと生徒-教師間の言語的コミュニケーションの把握が困難ということもあり、これまで教授・学習行動の分析はほとんど取り組まれていないのが現状である。そこで、R中学校の剣道授業における教師行動の実態の分析を行い、その中にある問題や課題の把握を試みた。その結果、剣道の授業中において、教師による説明・指示といった直接的指導と、防具の準備などのマネジメントに費やされた時間が多く、生徒の運動学習中に行われる巡視や相互作用(声かけなど)に費やされる時間が少ないことがわかった。良い授業のための教師行動の内容的条件として、(1)マネジメント行動が少ない。(2)直接的指導が少ない。(3)相互作用が多い。(4)相互作用につながる積極的な巡視がみられる。とされていることから、直接的指導とマネジメントに費やす時間を減少させ、巡視と相互作用に費やす時間を増加させることが課題として挙げられた。
北海道教育大学の論文