小学生の竹刀の実態調査 : 釧路地区と旭川地区を中心に
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概要
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本稿は、現在の釧路地区、旭川地区の小学生が使用している竹刀の身長に対する竹刀長の比率、体重に対する竹刀重の比率を算出し、その実態を明らかにするとともに、12年前に岡嶋らによって報告された調査結果と比較し、その後の状況について明らかにすることをねらいとした。調査対象は、全釧路剣道連盟に所属する小学生1年生から6年生までの102名、旭川剣道連盟に所属する小学生1年生から6年生までの113名、計215名である。調査は、先行研究を参考に調査項目を学年・性別・級位・身長・体重・竹刀の長さ(以下「竹刀長」と略)・鍔を除く竹刀の重さ(以下「竹刀重」と略)の7項目と設定した。釧路地区と旭川地区を比較してみると、全学年ともほぼ同じような傾向にあるが、釧路地区では、6年生が体格に適した竹刀を使用していた。旭川地区の分布を見ると、竹刀の長さと重さにばらつきがあることが明らかになった。全体でのデータを12年前のデータと比較すると、極端に長い竹刀や重い竹刀を使用する小学生がいなくなった。しかし、岡嶋らが示した小学生における竹刀の適正値と比較すると、低学年域では依然体格に対して長く、かつ重い竹刀を使用していることが明らかとなった。12年前の調査結果と比較すると状況は改善されているといえ、未だに小学生に使用させる竹刀の選択に関する指導者や保護者の意識が高いとはいえない。特に経験が少ない低学年域では、基本技術の習得や対人的技能の向上に支障をきたす一因になるとともに障害への危険性も考慮しなければならない。今後さらに、指導者や保護者に対する啓蒙に努め、小学生がより適正な竹刀を使用するための改善を進めなければならない。
- 北海道教育大学の論文
著者
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岡嶋 恒
北海道教育大学教育学部釧路校
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岡嶋 恒
北海道教育大学・釧路校・地域教育開発専攻
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岡嶋 恒
北海道教育大学釧路分校武道学研究室
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岡嶋 恒
北海道教育大学釧路校スポーツ科学研究室
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高橋 朋亮
北海道教育大学釧路校
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岡嶋 恒
北海道教育大学
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