場の理論に於る結合状態の問題について : Adiabatic Transformation Functionによるbound stateへの遷移
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概要
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結合状態の問題を一般的に取扱ふ為の第一歩として、こゝでは、相互作用をadiabaticに入れた場合、free stateから出発してbound stateへの遷移がどのように起るかの問題を中心として、次の事柄を調べた。先づ定常解と非定常解の一般的関係を論じ、之に関〓して、散乱の定常解から導かれるHeisenberg-MollerのS matrix S_Hとt=-∞から+∞への変換函数としてのDysonのS matrix S_Dの等しい事を確かめる。次に相互作用をl^<-ε|t|>なるfactorによりadiabaticにswitch in及びoffした場合の変換函数U(t,-∞;ε)のexplicitな形を与へ、このUがunitaryである事、free state Φ_aにoperateした時、Φ_aのenergy E_aがminimum energy (0と假定する)でない限り、ε→0の極限で散乱の定常解となる事、Ea=0なる点はmatrix element U(t,-∞;ε)|a>のsingular pointである事を明らかにする。従つて、bound state Φ_BはE_a≲εである様なfree state Φ_aの一時結合∫_<E_a≲ε>Φ_aからU(t,-∞;ε)によって生じる。最後に場の理論に於るS matrixを粒子数について対角的にする変換を求め之によりbound energyを定める方法を述べる。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1951-11-20
著者
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