Optical Potentialについて
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概要
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一般に非弾性過程が存在する場合に、弾性散乱を記述する一体のpotentialを求める問題を考える.(その際入射粒子のエネルギーについての平均は考えないので、厳密にはoptical potentialというより、effective potentialと呼ぶ方が妥当かも知れない) optical potentialと散乱のamplitudeの間の関係は明確にされていると思われないので、それをはつきりさせることがここでの一つの目的である。ここでは、弾性散乱のamplitudeを厳密に再現するような一体のpotentialを、Born termに対応するamplitudeと非弾性散乱のamplitudeによつて与え得ることを示す。このpotentialの物理的解釈は著者には未だ明確に分つていない。他の一つの目的は、exchangeを考慮した散乱の理論をつくることである。入射粒子が的の粒子と区別され得る場合には、普通のLippman-Schwinger型の散乱理論を用いることが出来る。しかし入射粒子と的を構成する粒子を区別できないときには、入射粒子と的との間の相互作用だけをadiabaticに切ることはできない。このような場合に用い得るのは、static meson theoryで用いられたWickの解である。衣を着た核子と中間子の散乱は丁度結合した原子核と核子の散乱に対応するからである。Exchangeがある場合にBorn seriesが可能であるかどうかは未解決の問題であるが、ここでは通常のBorn近似を使う場合にあらわれる'Target-exchange'について論じるに止める。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1960-05-20
著者
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- R.Herman and R. Hofstadter: High-Energy Electron Scattering Tables, Stanford University, Press, Stanford California 1960, 278頁.
- W.Pauli: Lectures on Continuous Groups and Reflections in Quantum Mechanics, UCRL, Report No.8213. Reprint by The PB Report Co., Tokyo, 1959, 202頁, 15×21cm,\480.