12.Heisenberg表示による繰込み常数の表わし方
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概要
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量子電磁気学では最近色々の人によつて繰込みを行つて各項を有限にした後の攝動展開の級数の收斂性が論ぜられて来ました。しかし巌密に論じるためには繰込みの常数を各項が∞の級数としてではなくて,繰込まれたheisenberg operatorによって表わして置く必要があります。その一つの方法をkallenが電子と電磁場の場合に論じています。そこではGauge不変性によりZ_1=Z_2やMφller partがないという事情がありました。又その上implicitに定めた繰込みの常数がDyson展開の場合とどう云う対応をしているかは論じてありません。吾々は一般性を失わぬためにScalar meson-場とFermion場を用いて,それ等の点を調べてみます。§1ではHeisenberg表示とinteraction表示の関係を明確にして§3の準備ともし,併せて繰込み常数を定めるための條件を検討します。§2ではそれによつて繰込み常数を定めます。§3では特にone mesonのGreen凾数との対応を展開を用いて調べ繰込みがconsistentであるための條件を求めます。その結果少くとも此の場合にはKallenの与えたものとほゞ同等な條件により繰込みはconsistentに行われていることが分ります。なお他の種類の発散についくは目下検討中です。(3.10)の級数の收斂條件から種々の繰込み常数の値に対する制限が出ます。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
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