中学・高校生における不定愁訴 : 第二次性徴との関連

概要

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思春期には急速な内分泌的変化を伴う身体発育が起こる。今回,中学校3年生と高校1〜3年生920名(女子513名,男子407名)に不定愁訴・身体症状(女子では月経周辺ではない平素の状態),第二次性徴の状態などに関して無記名自記式質問紙調査を実施した。女子は男子に比較して有訴率は有意に高く,特に,イライラ,頭痛,めまいは高率であった。月経が順調な群では,月経不順群より有訴項目数は有意に少なかった。また,月経が8日以上持続する群や月経困難症のある群では,正常な群に比較して,月経周辺以外の時期においても有訴率,有訴項目数は有意に高値であった。月経前の体調不良の有無により有訴率には有意差がみられなかったが,月経前の体調不良のある群では有訴項目数は有意に高値であった。身長の伸びや第二次性徴発現の有無からみると,男子学生では,女子学生に比較して,その過渡期にあると考えられたが,変声やひげの有無で2群に分類して比較しても,不定愁訴\身体症状の有訴率に有意差はみられなかった。女子学生では月経の影響は大きく,月経のない時期の不定愁訴の発生にも関与しており,月経の詳細な状態を考慮した対応が必要である。
日本母性衛生学会の論文