共存在感の創出とリズム表現による間合いの生成について(グループインタラクション支援とグループウェア,<特集>インタラクションの理解とデザイン)

概要

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著者らは,これまでに,剣道ロボット映像対戦システムを用いて,エントレインメント(リズムの引き込み現象)と間合いを関連付けて調べてきた.そして,同場所対戦での間合いの生成において,ロボットの操作リズム(行為のリズム)を伝えあうと,このリズムの引き込み周期に多様性が現れるが,遠隔対戦では,行為のリズムを送るだけでは,同様の多様性は現れないこと明らかにしてきた.そこで,本研究では,このような間合いの生成に必要な条件について調べた.具体的には,遠隔対戦では,同場所対戦とは異なり,対戦相手の存在が感じられず,共存在感がないことに着目し,二,三の実験を行うこととした.そのため,相手の存在感を表現できるという身体の影の効果に着目し,身体の影を活用する遠隔コミュニケーションシステム(WSCS)を用いて,離れた場所にいる対戦相手の身体の影を自身のいる空間に投影して,遠隔剣道対戦を行うことを実現した.そして,遠隔対戦で,存在感の表現のみでは不十分であるが,行為のリズムの伝達を合わせて行うと,多様なエントレインメントをともなった間合いが生成されることを見い出した.したがって,間合いの生成には,行為のリズムの伝達と共存在感の両方が必要であると考えられる.また,これにより,相手のロボットの動きを予測することが可能になり,互いの意思が共有される可能性があることを考察した.
社団法人情報処理学会の論文
2007-12-15

共存在感の創出とリズム表現による間合いの生成について(グループインタラクション支援とグループウェア,<特集>インタラクションの理解とデザイン)

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