離島・過疎地域におけるケアリング・コミュニティ形成に関する研究(その1) : 長崎県西海市崎戸地区におけるインフォーマルサポートの活性化に向けて
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概要
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ケアリング・コミュニティ(以下、CCという。)とは、インフォーマル・サポートネットワークの強化を図るための小地域活動が、計画的にシステムとして機能している地域のことである。本研究においては、高齢化率43.6%を示す長崎県西海市崎戸地区をフィールドとして、とりわけ(1)家族構成と家族関係、(2)近隣との付き合い、(3)生活の継続と地域資源、(4)日常の生活圏域に注目してCC形成に関する調査・分析を行なった。その結果次のような特徴的な点が考察された。第1に、崎戸地区が置かれているマイナス要因にもかかわらず、地域住民の郷土への愛着心が極めて強い。第2に、近所付き合いや近隣同士の相互扶助が非常に盛んである。第3に、大島大橋の開通により本島地域が本土と陸続きになったことで日常の行動圏域が広がってきてはいるが、高齢者層と若年層ではその広がりに差がある。以上の考察から論述できることは、強い郷土愛や盛んな近所付き合い、相互扶助のなかにこそ、生活不利条件を跳ね返してCCを形成するエネルギーがあるのではないかということ、である。
- 長崎国際大学の論文
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