数種寒地型牧草の1番草の生育に伴うin vitro乾物消化率,粗蛋白質含量および収量の推移
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概要
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一定の消化率で牧草を刈取る期日を策定する目的で,1番草の生育に伴うin vitro乾物消化率(IVDMD),粗蛋白質(CP)含量および乾物(DM)収量の推移を生育日数に対する回帰分析により検討した。供試牧草はチモシー(Ti)4品種,オーチャードグラス(Og)3品種,トールフェスク(Tf)3品種,リードカナリーグラス(Rcg)1品種,アルファルファ(Al)3品種,アカクローバ(Rc)3品種およびラジノクローバ(Lc)1品種の計8草種19品種である。1番草の生育に伴うIVDMD,CP含量およびDM収量の推移はそれぞれ直線回帰,漸近回帰および2次回帰によく適合した。IVDMDの推移を検討したところ,TiとTfでは晩生品種が早生品種より高く推移していたので早生グループ(Ti-E,Tf-E)と晩生グループ(Ti-L,Tf-L)とに分けた。Og,AlおよびRcはおのおの一つのグループにまとめた。イネ科牧草のIVDMDとCP含量の生育に伴う低下はマメ科牧草より急速であった。IVDMDの低下が最も急速だったのはRcgで0.63%/日であった。他のイネ科牧草は0.4〜0.5%/日であった。Alは0.32%/日,Rcは0.36%/日,Lcは0.17%/日であった。出穂期におけるIVDMDとCP含量では早生品種が晩生品種より高い傾向が,DM収量では晩生品種が多い傾向が認められた。一定のIVDMDに到達する期日はイネ科牧草では早生品種が晩生品種より早い傾向が認められた。また,その時のCP含量は早生品種が高く,DM収量は晩生品種が多い傾向であった。IVDMD 70%の刈取期日はLcを除くとTf-E,OgおよびRcgの6月13〜14日からTi-L,AlおよびRcの6月24〜28日までであった。
- 日本草地学会の論文
- 1983-07-28
著者
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田辺 安一
北海道立中央農業試験場
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大原 益博
北海道立新得畜産試験場
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山川 政明
北海道立新得畜産試験場
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大原 益博
道立畜試
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山川 政明
北海道立天北農業試験場:(現)北海道立滝川畜産試験場
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大原 益博
北海道天北農試
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