オーチャードグラスにみられるin vitro消化率の品種間変異
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概要
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消化率の高い品種を育成するには,どのような品種を選抜母集団に用い,どの時期に選抜するのが効果的か等,選抜に際しての基礎知識を得るために,各刈取り時期におけるオーチャードグラスin vitro消化率の品種間変異を調べた。1.年間4回刈りで,1976年と1977年の2年間,オーチャードグラス24品種(系統)を比較したところ,北海9号,Potomac,北海1号,Latar等が高消化率を示し,S143,Tammisto,Saborto等が低消化率を示した。2.分散分析の結果,1976年はすべての刈取り期,1977年は2回の刈取り期で品種間に有意差が認められた。また各刈取り期の間における品種の消化率の相関は低かったが,年間平均消化率と各刈取り期との間の相関はいずれも高かった。1976年と1977年の間には,第1回から第4回までのすべての刈取り期で,有意な高い正の相関係数が得られた。3.オーチャードグラス11品種を供試し,生育期間中ほぼ等間隔に刈取りを行なった試験結果から,各時期の消化率の品種間変異幅を比較したところ,夏季に品種間差が大きくなる傾向が見られた。オーチャードグラスは夏季の消化率が低く,この時期の消化率の改良が要望されているが,品種間差に関する限り,消化率に対する選抜効果が期待できることが明らかになった。
- 日本草地学会の論文
- 1978-07-31
著者
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