オーチャードグラスにおける消化率の個体間変異および消化率と形態的・生理的形質との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オーチャードグラスで,消化率について個体選抜を行う場合に,これまでに用いられた方法をさらに簡略化した分析方法が利用できるかを検討し,つぎにこの方法を用いて8系統511個体の2番草を分析し,系統間および個体間変異を明らかにし,さらに消化率と形態的・生理的形質との関連を調べた。1.阿部らによる「セルラーゼによる粗飼料の乾物消化率推定法」の第1段階を省略した方法で,消化率のわかった標準試料を混合して作った11点の試料を分析したところ,その分析値とin vivoの計算消化率との間でr=.996の高い相関が得られ,又3点の標準試料をくり返し分析した結果では,分析値の再現性が高かった。多数の試料の迅速な分析を必要とする場合には,この方法を適用できると考えられた。2.オーチャードグラス8系統,511個体の消化率を分析したところ,系統間変異の幅は2.4%で,系統間に有意な差が認められた。個体間では14.9%もの大きな変異がみられた。3.評点法による13形質の調査結果により,511個体を評点別に分け,クラス別に個体の消化率の平均値を計算したところ,6形質でクラス間に有意差が認められた。1番草の草型および2番草の病害(主として雲形病)と消化率との間では,草型がほふく型の個体の平均消化率は中間型・立型に比較して低く,り病度の低い個体の平均消化率は高い傾向がみられた。
- 日本草地学会の論文
- 1977-10-31
著者
関連論文
- イタリアンライグラスとトールフェスク交雑後代における蛍光反応の遺伝,ならびに蛍光反応と栄養価指数・冠銹耐病性との関連
- 58. オーチャドグラスの消化率における遺伝率の推定(昭和53年度 年次講演会要旨)
- 57. オーチャドグラスの個体評価における消化率推定式の利用(昭和53年度 年次講演会要旨)
- 30. イネ科牧草における播種期の差が翌年の出穂に及ぼす影響(昭和52年度 談話会年次講演会講演要旨)
- 29. オーチャードグラス個体植における1番草の生理的・形態的形質と消化率の関係(昭和52年度 談話会年次講演会講演要旨)
- 越冬前におけるオーチャードグラス株部の精度と越冬性
- オーチャードグラスにおける消化率選抜の1例
- メドウフェスク耐寒性幼苗検定法と品種反応
- 来歴を異にするオーチャードグラス栄養系の放牧,刈取りに対する反応と季節生産性
- オーチャードグラス個体の形態的・生理的形質による消化率の推定
- オーチャードグラス個体植えにおける再生草の消化率と形態的・生理的形質との関係
- オーチャードグラス個体植えにおける出穂期の消化率と形態的・生理的形質との関係
- オーチャードグラスにみられるin vitro消化率の品種間変異
- オーチャードグラスにおける消化率の個体間変異および消化率と形態的・生理的形質との関係