行政合併に伴う尾道市体育協会の統合について
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概要
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地方分権一括法(平成11年)が施行され、尾道市は、御調町・向島町と2005年3月編入合併、さらに因島市・瀬戸田町とも2006年1月に編入合併した。行政合併に伴い任意団体の体育協会も合併統合という流れに沿った経過をたどることになる。合併統合の条件として、尾道市体育協会の規約・規定を引き継ぎ、尾道市体育協会の体育・スポーツに関する諸団体(地区体育協会、スポーツ少年団、競技団体)で構成する組織になった。尾道市体育協会と統合する条件は、地区体育協会は原則として小学校区とし、3年間の移行措置として統合前の組織で活動する。また、スポーッ少年団は尾道市体育協会の傘下にはいる。競技団体においては、同一種目は統合する、という内容である。尾道市体育協会と統合した因島市・御調町・向島町・瀬戸田町体育協会は、統合前と統合後にどのように変化したのであろうか、その結果次のようである。尾道市体育協会の統合をみると、地区体育協会は、17地区から49地区に増加。競技団体は、24競技から30競技に増加。スポーツ少年団数は、24団から83団に増加した。スポーツ行事では、統合前と統合後に増減はない。体育協会の予算額は、統合前は444万円から1,471万円に大幅な増額となった。各体育協会の現状を見ると御調町体育協会は、予算額は合併前の約6割の確保に止まり、スポーツ行事は減少している。向島町体育協会は、予算額は合併前の約6割に過ぎず、予算不足から中止になったスポーツ行事もある。因島市体育協会は、統合前と統合後もスポーツ行事及び予算に変化は少ない。しかし、スポーツ少年団予算は統合後に約5割に減少している。瀬戸田町体育協会は、統合前のスポーツ行事は統合後も継続されている。統合を機会に町民体育大会を総合スポーツ大会に組み替えている。体育協会の予算は、統合後に2.2倍にも増額になっている。このように、2005年に統合した御調町体育協会と向島町体育協会は、予算の減少からスポーツ行事は減少している。それに対し2006年に統合した因島市体育協会、瀬戸田町体育協会は、予算は統合によって増額している現状であり、スポーツ行事も変化は少なく統合によって予算面とスポーツ行事のみに負の要因はないようにみえる。因島スポーツ少年団の予算減額が活動を鈍らす懸念がある。これまでの尾道市体育協会の運営・組織で合併統合によって急に拡大した組織を円滑に運営できるか仕組みを検討する時期になったといえる。
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