動的筋力トレーニング効果の消失について-第5報-
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概要
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1年間あまりのハードなウエイト・トレーニング(重量固定方式)を実施し、それ以降、適度に与える刺激によって変化する身体の形態、機能の変化を1年後、5年後、15年後、20年後、30年後、そして35年後と追跡してみた。測定を実施していく中で比較検討した結果、以下のことを得た。1)周囲値においてトレーニング停止時点では20%の増加値を示したが、5年後、15年後の変化では下肢を除く体幹、上肢に顕著な減少が見られ、20年後、30年後では5〜6%、35年後では8%の減少値を示した。2)周囲値の項目の中で頸囲、腹囲、手頸囲、足頸囲において、20年後、30年後に上昇値を示し、35年後においては上腕囲と大腿囲を除くすべてにおいて減少値を示した。3)周囲値の測定項目で胸囲、上腕囲、大腿囲、下腿囲においてトレーニング前の測定値より35年後では低い数値を示した。4)皮脂厚については減少状態がトレーニング実施期間中より5年後の測定時点まで続き、トレーニング停止15年、20年、30年後において、全体の皮脂厚値が実施前の水準に近づく増加傾向が見られていたが、35年後においては最初の測定値を超える値を示した。この中で、背部の皮脂厚においてはトレーニング開始当時から増加状態が続き、減少の傾向を示すことなく、他の皮脂厚と同じように停止5年後以降はさらに増加傾向があり35年後では最高値を示した。5)皮脂厚の項目の中で頸部のみが35年後において下降の値を示し、W・T停止20年後、30年後においては、胸部、腹部、背部、大腿部、足頸囲に顕著な上昇の傾向が見られた。6)筋力測定においては、5年後までは脚伸展筋力に増加が見られたが、15年、20年、30年後では、20〜30%の著しい減少を示した。他の筋力指標とした測定項目については停止5年以降、30年後まで停止時点の測定値と同値、又は、減少状態の傾向を示したが35年後ではさらに8%の減少となった。7)運動機能測定項目においては、トレーニング停止5年、15年、20年後ともに反復横跳びに増加が見られたが、30年後では下降の値を示すに至り35年後では測定前の値を下回った。垂直跳びにおいては5年、15年、20年後の変化に著しい下降の傾向が見られた。その他の測定項目については著しい変化は示さなかったが、ゆるやかなカーブを描き、すべての機能測定項目で測定前の数値を下回った。
著者
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岩崎 英人
山陽学園大学総合人間学部
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中川 淳子
山陽学園短期大学幼児教育学科
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西垣 利男
兵庫県立大学環境人間学部
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岩崎 英人
山陽学園短期大学
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青木 敦英
兵庫県立大学環境人間学部
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青木 敦英
兵庫県立大環境人間学研究科
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青木 敦英
兵庫県立大学環境人間学研究科
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