企業のIT化と人間力の形成
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概要
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最近、企業のネットワーク化が著しく発展・普及した。その結果、財・サービスの生産から販売に至るまでの過程で、スピード、距離、生産性、技術力などに飛躍的な発展が見られる。このような環境は従来の「働く」というイメージを大きく変えつつある。単純でルーティー化された仕事はコンピュータ等で処理するようになり、複雑な仕事には情報技術(IT)の活用に限界があり、その解決には最終的に高度な人間の判断力が求められている。このような視点から本稿は現代企業が直面しているネットワーク社会の中で、企業で働く人はどのようにして人間力を獲得しているのか、という課題に対して1つの答を得たいと考えている。本稿でいう人間力とは人が業務を遂行するに当たり作業的、情緒的、知的側面へのITの活用能力、そしてそれに対する正当な評価による満足した待遇の4つである。この内、1つでも欠けると本稿でいう人間力を形成したとはいえない。特に我々は今まで情緒的側面への活用に注目してこなかった。これを無視すると職場の「人間らしさ」を失う恐れがある。その答えを得るために本稿は2つの基本的な課題を設定し、これを実証事例で検証するという方法をとる。まず企業におけるIT活用の現況を把握するために、(1)「人は日々の業務の遂行にいかにITを活用しているのか」であり、次に本稿のテーマを解決していくための課題として、(2)「人はITの活用により人間力をどのように獲得しているか、」である。しかしこの2つの課題だけでは本稿のテーマに答えることはできない。そこでこれに論拠に基づいたSub課題をいくつか設定し、それを実証事例によって検証し、論理的な結論に導くという方法をとる。
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