流通システム変革期における商業の分化と統合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
わが国において、小売商は規模の大小に関わらず商品調達に関しては卸売商の提供するシステムに依存してきており、米国で見られるように小売商が独自の商品調達システムを構築するには至っていない。その一方で、わが国における製造機関と小売機関における協働関係の進展が確認できるものの、協働関係の進展に伴い卸売商の担っていた役割や機能が、製造機関や小売機関の求める機能との間に乖離が発生している局面も顕在化している。わが国においては、製造機関と小売機関における直接取引と商業部門を介在した間接流通が併存しており、間接流通における商業者の優位性を明確化する必要性が高まっている。その意味では、商業の分化で得られる相対的優位性が確保できなければ、商業統合が進展することになる。わが国では規模の大小に関わらず小売商は、商品調達を卸売商の提供するシステムに依存している状況である。商業が分化する条件と統合する条件を論証したうえで、生産段階と小売段階の条件によって卸売商が介在し得る条件を論じた。その上で、商業統合が進展する中で、卸売商の戦略的対応の方向に関しても示唆した。
- 目白大学の論文
著者
関連論文
- 主体間関係の変動と菓子卸売業の販売戦略
- 「流通システムの変革と卸売商の業務拡張」
- 流通機能分担関係の変化と中間流通システムの構築
- 流通システム変革期における商業の分化と統合
- 流通システムの変革と卸売商の業務拡張