誘発線法の反応特徴に関する研究 : MMPI, SDS,印象評価との関連を通して
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概要
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誘発線法は,中井久夫によって考案されたユニークな投影描画法であり,クライエントと治療者双方に負担があまりかからず簡便に実施できるため,描画療法の導入や心理療法に幅広く用いられている。現在は4つの定型刺激を用いる神戸大パターンの実施法が定着している。本研究では,誘発線法における反応特徴をつかむために,大学生150名(男子50名,女子100名)に,誘発線法と併せてMMPI, SDS,自己認知質問紙を同時に実施して,描画内容をコード化して分類し,質問紙との比較検討を行った。また,描画表現の印象分析も行い,MMPIとSDSとの比較検討を行った。本研究において,誘発線法は,それぞれの刺激図を完成図形のある一部もしくは全体としてとらえ,その完成図形を発見するためのイメージ作業であり,各刺激パターンがもたらすイメージをどのように消化するのかという課題特徴があると考えられた。また,誘発線法の各刺激図における出現しやすい反応内容や反応形態,刺激図に対する嫌悪難易傾向などの一般的特徴があきらかになった。誘発線法の簡便な反応分類によって,他の質問紙や印象評価と比較検討できることがわかった。これらの結果について,臨床的見地から考察を行った。
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