大学病院療養指導室における退院支援の実態と退院支援体制の検討(第2報) : 家族介護者の視点をつうじて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,病院退院支援部署にて退院支援を受けた対象の退院後調査のうち,回答した家族の生活の実態から退院支援部署の役割や家族への退院支援のありかたを検討するための基礎資料を得ることを目的とした。方法は,本退院支援部署で支援を受けた患者の家族介護者49名を対象とし,退院後の療養生活を支えるうえでの,助かったこと,困難なこと,あればよかったと思う支援や退院支援部署で行なった支援への満足度について分析を行なった。その結果,療養生活を支えるうえで,助かったこと,困難なこと,あればよかったと思う支援において患者を含めた調査と相違があったのは家族介護者の視点における困難なことであった。介護生活における助かった支援は訪問看護など療養の管理に関すること,入浴サービスなど生活の継続,日常の相談役となる家族の存在であった。あればよい支援の第一が緊急時の入院体制や夜間の診療体制の充実であった結果より,24時間の介護生活に沿った指導,さらに緊急また不安時に相談できる専門職や機関の確保が本部署の退院支援において大切であることを再確認した。退院支援への満足度については,本部署で実施しているにもかかわらず家族介護者の生活や健康・利用できる制度やサービスは低い傾向であった。これら継続ケアをになう家族の生活実態より退院時の計画的な退院指導,対象側に伝わる家族支援の工夫が示唆された。
- 順天堂大学の論文
著者
-
金子 祐子
順天堂大学
-
カーン 洋子
順天堂大学医学部附属浦安病院
-
樋口 キエ子
順天堂大学医学部医療看護学部
-
原田 静香
東邦大学大学院
-
金子 裕子
順天堂大学医学部附属浦安病院
-
カーン 洋子
順天堂大学
関連論文
- 大学病院療養指導室における退院支援の実態と退院支援体制の検討(第1報)
- 20 良好な治療経過をとった未完成婚の1例(一般演題,第35回日本女性心身医学会学術集会)
- 当院女性外来における月経前症候群の検討(診療)
- WS9-1 当院女性外来における月経前症候群の検討(月経とPMS II, 第34回日本女性心身医学会学術集会)
- 高齢者自宅死亡とその影響要因に関する社会医学研究(平成18年度順天堂大学医学部プロジェクト研究成果抄録)
- 高齢者急性期病院における患者・家族の退院に向けた関わりへの一考察
- 在宅看護演習における他分野との共通事例による学習成果と課題
- 患者家族が求める退院支援に関する研究 : 退院後の患者家族の退院支援への要望・意見から
- 高齢者急性期患者の早期退院に向けた地域連携のあり方に関する研究(共同研究発表,第1回医療看護研究会)
- 訪問看護師が期待する退院支援に関する研究(平成19年度学長特別共同プロジェクト研究報告書)
- 病棟師長が認識する病棟と療養指導室との連携に関する研究(共同研究,第3回医療看護研究会)
- 退院後の療養生活の実態と退院支援体制の検討について : 療養指導室にて退院支援を受けた患者の退院後調査より(共同研究,第2回医療看護研究会)
- 大学病院療養指導室における退院支援の実態と退院支援体制の検討(第2報) : 家族介護者の視点をつうじて
- 在宅看護における演習・実習の学習効果 : 学内演習,臨地実習の前後の比較(平成19年度学長特別共同プロジェクト研究報告書)
- 在宅移行時アセスメントシートの開発の過程
- 退院後の療養生活の実態と退院支援への満足度に影響する要因
- 重度要介護者の医療処置をになう家族介護者支援に関する研究(平成16年度順天堂大学学長特別共同プロジェクト研究成果抄録)
- 33 家族介護者の介護負担感についての研究 : 性差による負担感の相違(一般演題,第35回日本女性心身医学会学術集会)
- 病棟師長が認識する療養指導室との連携
- 順天堂浦安病院における女性専用クリニックの機能 : 開設後1年を経過して
- 看護研究 訪問看護師が認識する在宅移行時における連携の現状--連携上の困難・役立った支援より
- 在宅移行時における訪問看護師の看護力
- 在宅看護論における効果的な教授方法の検討--学内演習に焦点をあてて
- 在宅療養移行時修正版アセスメントシート試用後の病院看護師の評価
- 重度要介護者の医療処置をになう高齢家族介護者が体験する困難と助かったこと
- 家族介護者の負担感に関する研究 : 性差による相偉