順天堂浦安病院における女性専用クリニックの機能 : 開設後1年を経過して
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概要
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千葉県では,平成13年以後「性差を考慮した医療」(Gender-specific medicine : GSM)の整備推進が取り組まれ,当院は平成14年11月に「女性専用クリニック」を開設した。女性専用クリニックは従来の臓器別の診療科とは異なる目的で始まり,11ヶ月にわたる実践を経て,今後の運営に向けた基盤づくりが必要な時期であると考えた。そこで,当室は受診者にとってどのような機能を持つ部門となったのか振りかえる機会をもった。診療体制は,女性が身体的・精神的・社会的に総合的な問題を抱えている場合相談に訪れることができるよう,他部門とも連携して病院全体のシステムを整えた。そして,予約から診察後のフォローアップまで可能な限り受診者個々のニーズに応じた医療サービスが提供できるよう配慮し,実践している。また受診状況から,壮年期から更年期を中心とした幅広い年代の受診者が心身両面からの相談や,今受けている治療に関する相談で訪れたことがわかった。これらのことから女性専用クリニックは本来の性差医療の機能以外にも,(1)可能な限り女性医師・女性コメディカルによる支援を得られるという医療の選択肢を1つ増やした,(2)臓器別ではなくトータルに診療を希望する受診者の窓口となった,(3)受けている治療についてセカンドオピニオンや満足いく医療者とのコミュニケーションを求める受診者の受け皿となった,といえる。
- 順天堂大学の論文
- 2005-03-19
著者
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