Orchardgrassの分げつに関する研究 : 第4報個体密度と構成分げつの関係および分げつ芽分化葉数の季節変化

概要

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1)栽植密度を異にした(100個体/m^2,900個体/m^2)orchardgrass個体群において,疎密両個体群内の代表個体について越冬後1番刈期における分げつ構成を比較すると,疎植区においては,次位的,節位的にも多様な構成を示し,生殖生長茎と,生育ステージにも多様な変化のある栄養生長茎で構成されるのに対し,密植区にあっては,主稈と数本の1次分げつおよび2次分げつの栄養生長茎のみで構成されるという分げつ面での特異性が認められた。その後の2番刈期,3番刈期における分げつ構成について観察を行い,各刈取時における収量構成分げつは,疎密両区とも既存の分げつの刈取後に再生長したものが主体となることにかわりがないが,栽植密度の高い草地ほどその傾向が顕著であること,また出現後最初の刈取の収量構成には大きな比重は占めないが,草地の永続性を担う分げつの主体は春から出穂期の1番刈直後に出現する分げつであり,これらは疎植区で顕著であった。2)分げつ芽の分化発育においてその季節変化を顕微鏡的に観察した結果,各茎節葉縁基部における分げつ原基の分化からそれが伸長して葉鞘より抽出し出現分げつとなるまでの過程において,分げつ芽としての分化発育を完了するまでの段階については,低節位から高節位へ分化葉数の減少が認められ,分げつ芽形成の時間的序列性が保持されているにもかかわらず,分げつ芽の完成後出現分げつとなるまでの伸長生長段階では環境条件の影響をうけ易く,したがって低節位における分げつ出現も規則性に乏しく,出現分げつの生長度も多様であることが明らかとなった。したがって草地群落全体としてる分げつ出現体系を検討する場合,個体別の次位的,節位的要素はひとまず捨象して,これらを包摂した分げつ茎の季節的発生消長によって論ずるのが,草地利用上至当であると考えられた。
帯広畜産大学の論文
1977-07-25

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