症例報告 : 強皮症,腹臥位と難治性低血圧

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概要

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目的:全身性硬化症(強皮症)の患者において高度の低血圧をきたした症例を報告する。臨床経過:59歳,男性。全身性硬化症による下肢の虚血性病変に対し,骨髄よりの単球分離採取術が予定された。循環器系及び呼吸器系の合併症を有しており,経口プロスタサイクリンを内服中であった。プロポフォールで導入後,腹臥位にて手術を行った。腹臥位中,難治性の低血圧が発生した。手術終了後,仰臥位に戻すと血圧は回復した。結論:本症例は低血圧の診断及び低血圧の原因の発見が共に遅れる結果となった。本症例の低血圧の原因としては,全身性硬化症による血管収縮による血管床減少状態に麻酔薬による血管拡張と腹臥位での下大静脈の圧迫による静脈還流の低下が最も考えられた。全身性硬化症患者の麻酔においては,血管収縮により循環血液量が減少していることを考慮して十分な補液後に慎重な体位変換が必要であると考えられた。
2005-12-01

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