佐野厚生総合病院泌尿器科における男子尿道炎の臨床的検討

概要

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(目的)当院医療圏における最近の男子急性尿道炎の臨床像を把握する。(対象と方法)2001年1月より2002年12月までの間に,性感染症(STD)性の男子尿道炎と診断した患者114例を対象に,起因菌,患者年齢,感染相手,治療薬,治療効果,淋菌性における薬剤耐性などにつき検討した。(結果)起因菌別頻度では淋菌性が47例(41.2%),クラミジア性が24例(21.1%),淋菌・クラミジア性が6例(5.3%)であった。患者年齢は20代が最多であった。感染相手は淋菌性ではCommercial Sex Worker(CSW)が27例(57.4%)で,クラミジア性ではGirl Friendが12例(50.0%)で最多であった。CSWの内訳ではピンクサロンなどが64.4%を占め,感染経路としてoral sexによる咽頭感染が主であると考えられた。治療薬は淋菌性ではセフェム系が26例(55.3%),クラミジア性ではニューキノロン系が11例(45.8%)で最も多く使用されていた。治療効果では淋菌性においてニューキノロン系は36.8%のみ有効であった。淋菌性尿道炎における尿培養感受性結果に基づく薬剤耐性の検討では,ニューキノロン系は26.7%〜61.5%の高度耐性を示した。(結論)患者の咽頭感染の認識の低さ,ニューキノロン系を主とした薬剤耐性淋菌の存在が問題であり,STDの啓蒙が急務であると考えられた。
自治医科大学の論文
2003-12-01

佐野厚生総合病院泌尿器科における男子尿道炎の臨床的検討

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