林内の草生改良法に関する研究 : 第1報 日射量を制限した場合の牧草の収量性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1暖地でも生育する冬型牧草10種を用い,自然光の75%,50%,25%となるよう調節した寒冷紗枠内(ただし,調査終了時にはそれぞれ63%,46%,32%となった)で140日間遮光処理し(播種後206日経過した材料を5月20日から処理),その間における牧草の生育と収量性を検討し,つぎのような結果を得た。2遮光初期から同中期における草丈の伸長推移は,ほとんどの草種が受光量と反比例的関係を示すが,遮光後期においてはその傾向がみられなかった。3乾物収量は草種,受光量,遮光処理の経過段階によってそれぞれ異なるが,軽度の遮光下では全期にわたって増量となる草種にOrchardがあり,初期・中期は増量的で後期には減量する草種にTall fescue,Red top,Reed canary,Perennial ray,Lad ino cloverなどがあげられる。しかし,これらの草種も強度の遮光下では遮光初期から減少する傾向を示した。4根量は,いずれの日射制限段階でも減少し,その影響度合は地上部よりも大きく,また,草種間ではマメ科草に強く現われた。5Orchard,Red top,Reed canaryなどは受光量が50%程度に制限されても乾物総収量は自然光区より多く,林地内への導入可能性が示唆された。6以上のような日射制限に基づく反応度合を総合すると,(1)日射制限の悪影響が比較的小さいもの(Orchard,Red top,Reed canarry),(2)遮光中期以降に悪影響がみられるもの(Tall fescue,Kentucky blue,Lad ino clover),(3)遮光初期から悪影響がみられるもの(Smooth brome,Perennial rye,White clover, Birds foot trefoil)とに分級し得た。
著者
関連論文
- 53.周年利用のための草種組合せ方式に関する研究 : 第1報播種様式の相違によるダリスグラスとトールフェスクの混生法(草地造成・管理,第17回発表会講演要旨)
- 二・三の熱帯性新導入クローバーについて (第102回講演会)
- クロタラリヤ品種の特性に関する研究 (2) : 採種栽培について (第102回講演会)
- 土壤侵蝕と作物の種類について(第1報)
- 林内の草生改良法に関する研究 : 第1報 日射量を制限した場合の牧草の収量性
- 畑地雑草の発生生態
- 傾斜地に於ける甘藷の直播栽培について (予報)
- 42.周年利用のための草種組合せ方式に関する研究 : 第2報播種法をかえた場合のバヒアグラスとリードカナリーグラスの混生(草地造成・管理,第18回発表会講演要旨)
- 日射量を制限した場合の牧草の収量性(第5回講演要旨)
- 37.自然草地における牧草地の簡易造成 : 第I報播種床面処理の相違と牧草の発芽・初期生育(草地造成・管理,第18回発表会講演要旨)
- 休耕地の雑草生態
- 瀬戸内地帯の畑における牧草の維持年限に関する研究 : 第1報 数種牧草収量の年次的推移について