休耕地の雑草生態
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概要
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休耕したり長期間にわたって耕作が放棄されている農耕地を対象に,そこに生育する雑草の群落遷移を生態的手法で調査したところ,次のような結果を得た。1.ムギ後休耕地では1年生雑草の優占度が高く,地上部の生育形態は直立性のものが多い。また,種子は重力でその周辺に自然落下するものがほとんどであった。2.水稲後休耕地では越年生と1年生の雑草が優占し,地上部は直立型,そう生型,部分ロゼット型などに分れた。種子は重力で自然落下するもの水・風で拡散するものが多かった。3.3年間耕作放棄すると多年生雑草の侵入が増える。種子は重力で自然落下するもの,水・風で拡散するもののほかに,動物や人の移動で拡がるものもまじった。また地上部は,そう生型,直立型,部分ロゼット型,分枝型など形態は多様化した。4.以上のことから,雑草の生活型は休耕開始時期や期間によってかなりの相違が認められ,休耕期間が長びくほど多年生化することが明らかで,休耕3年ともなれば,雑草のすみわけがほぼきまる。そして,強害草の侵入がかなり増える傾向がうかがわれた。
- 日本作物学会の論文
- 1972-05-31
著者
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