飼料作物の化学的成分と飼料価値に関する研究 : XIV.ケンタッキー31トールフェスクの化学的成分と飼料価値に及ぼす窒素施用の影響について

概要

論文の詳細を見る
瀬戸内で栽培されたケンタッキー31トールフェスクの乾草の飼料価値におよぼす窒素施用水準の影響について,1番草と再生草について検討した。1.窒素多用によって,粗蛋白質,純蛋白質,硝酸塩含量が1番草の伸長,穂孕,出穂の各生育段階と2〜4番草の伸長期を通じて増加したが,粗繊維,粗リグニン,P,Ca,Mg含量は変化しなかった。2.窒素多用によって,DCP含量が1〜4番草において増加したが,TDN,DOM含量は変化しなかった。3.窒素多用によって1〜4番草の乾物,DCPおよびTDN収量が著しく増加した。4.刈取後の窒素追肥は再生草(2〜4番草)の粗蛋白質,純蛋白質,硝酸塩およびDCP含量を増加し,またDCP,TDN収量を増加した。5.DOM,DCPおよびTDN含量を推定するために次の回帰式を得た。DOM=74.51-1.63×DM S.E,4.0,r=-0.738(P<0.001)DCP=-3.37+0.93×CP,S.E. 1.3,r=0.977(P<0.001)TDN=77.05-3.37×CL,S.E. 7.6,r=-0.666(P<0.01)DCP,TDN,CP(粗蛋白質)およびCL(粗リグニン)含量は乾物中のパーセントで示す。
日本草地学会の論文
1969-11-29