泌尿器科病棟における血液培養検査陽性症例の検討

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金沢医科大学病院泌尿器科病棟にて,1年間の入院患者434例中血液培養検査に陽性を示した12症例を検討した。起炎菌は,Escherichia coli(E.coli)5例, Proteus vulgaris1例, Klebsiella pneumoniae2例, Enterobacter cloacae1列, Staphylococcus aureus1例, Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)2例であった。尿路感染症に起因した症例は12症例中10症例(83.3%)認められた。10症例は尿路結石症が4例,腎血管筋脂肪腫からの出血による膀胱タンポナーデが1例,前立腺肥大症による尿閉が1例,膿腎症が1例,膀胱癌に対し膀胱全摘除と尿管皮膚瘻術後のステント閉塞が1例,腎孟尿管移行部狭窄症が1例,バルーンカテーテルによる尿道損傷症例が1例であり,各々,腎孟腎炎などの感染症を併発していた。尿路通過障害を認めた症例が10例中8例確認された。12症例中,既存の尿路カテーテルやステントが存在した症例は4例あった。菌血症を呈した12症例は,採血時,すべてSIRS(systemic inflammatory response syndrome)診断基準を満たしていた。尿路感染症に惹起された敗血症の場合,尿路閉塞を伴う症例では迅速なドレナージと共に適切な抗菌化学療法を行う事により確実に治癒率が上昇する。平素,感染の起炎菌とその耐性を把握し,有効な抗菌薬を使用することが必須であると再確認された。
金沢医科大学の論文

泌尿器科病棟における血液培養検査陽性症例の検討

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