ドイツコンツェルン決算書における潜在的租税
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概要
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国際的取引・資産調達活動の増加にともない企業会計の国際化はますます強調されてきた。ドイツ商法第306条のコンツェルン決算書における租税の期間的区分については詳細な規定はなく,その解釈にはドイツ会計基準第10号「コンツェルン決算書における潜在的租税」(2002年)が参照され,IFRSおよびHGBとの調和化が試みられていると考える。しかし,同会計基準による潜在的租税の会計処理は正規の簿記の原則(GoB)遵守の下にコンツェルンの財政状態,財務状態および収益状態の実質的諸関係に合致した写像を提供する基本的要請を果さなければならない。そのために,さらにEUの公正価値指針で重視される一部金融資産の公正価値での評価(部分公正価値会計)を原価評価と並行させて,このコンツェルン決算書の目的にそった租税の期間的区分が望まれよう。そのために,商事貸借対照表IおよびIIでの修正・調整が行われるが,その処理の内容が複数の処理方法によって問題となる。ドイツ商法規定は明確でない事情から,とくに外貨換算,資本連結など,さらには潜在的租税の処理に関してどのような基本的コンセプトにもとづいて,どう差額を処理するか問題となる。これらについて,コンツェルン決算書が果すべき情報提供目的の視点から検討されよう。
- 2007-03-31
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