Matrix metalloproteinase-1 (MMP-1)分解によるI型コラーゲン会合体の構造解析
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概要
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Matrix metalloproteinase-1(MMP-1)はコラーゲンの3重螺旋構造を切断できる酵素の一つであり,細胞外マトリックスを分解することで組織細胞周辺の環境を一新する.MMP-1の機能はコラーゲン代謝のみならず,細胞の浸潤や転移にも関わる重要な酵素である.一方,同じコラーゲンでも魚類と鳥類では熱安定性も異なり,MMP-1の特異性も異なることが予想される.また,コラーゲンのテロペプチド領域を除いたペプシン処理コラーゲンとアクチニダイン処理コラーゲンの構造変化がMMP-1の反応特性に変化を及ぼす可能性が考えられる.本研究では,Clostridium菌とStreptomyces菌由来のMMP-1を用いて,キハダマグロとニワトリから調製したペプシン処理コラーゲンとアクチニダイン処理コラーゲンに対する反応速度や特異性などの酵素特性をポリアクリルアミドゲル電気泳動と逆相HPLCにて調べた.MMP-1の分解速度はキハダマグロとニワトリの各コラーゲンで大きく異なることが示された.さらに,2種類の菌由来MMP-1のニワトリ・コラーゲンに対する特異性に相違がみつかった.また,ニワトリのアクチニダン処理コラーゲンのMMP-1分解物にはペプシン処理コラーゲンの分解物にないペプチド断片が認められた.異なるMMP-1とコラーゲンとの酵素反応を調べることにより,コラーゲンの構造とその安定性に関する知見を得た.
- 2007-03-31
著者
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