「持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」と環境教育NPO
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概要
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周知の通り、国連は、2005年から2014年までの10年間を、「国連持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD: UN Decade of Education for Sustainable Development)」のキャンペーン期間に定めている。本稿は、UNDESDに対応しながら、「持続可能な開発のための教育(ESD: Education for Sustainable Development)」という教育的アプローチを通じて,「持続可能な社会(sustainable society)」の形成を目指そうとする日本のESD 運動について、後述するフレーミングとブレイクダウンという概念を分析・説明ツールとして用いつつ、その戦略的な特性と課題を明らかにするとともに、ESDという新しい教育が指向する方向性についても明らかにしたい。また併せて、このようなESD運動を契機に、ESDを推進する環境教育NPOがどのような対応を試みることになるのか、この点についても明らかにしたい。DESD(Decade of Education for Sustainable Development持続可能な開発のための教育の10年)キャンペーン期問は、環境教育NPOにとって、自らの行動変容を迫られる転換期となる可能性が高い。尚、本稿を立論する際、日本におけるESD の推進を目指す全国的な規模のネットワークNGOである「持続可能な開発のための教育の10年推進会議(ESD-J: Japan Council on UN Decade of Education for Sustainable Development)」に参画し、かつまたそのESD-Jの運営の中心を担ってきた5つの環境教育NPOの代表者に対して、共通の質問項目に基づく個別のヒアリングを行ない、本稿のテーマを省察するための「素材」を収集した。本稿は、この「素材」の省察を基底に据えながら議論を展開するものである。
- 2004-09-30
著者
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