数種の飼料作物のナトリウム吸収に及ぼす代謝阻害剤の影響

概要

論文の詳細を見る
ローズグラス,グリーンパニック,イタリアンライグラス,シコクビエ,チモシーのNa吸収に及ぼす代謝阻害剤の影響を調べる目的で,これらの草種をアジ化ナトリウム(NaN_3)または2,4-ジニトロフェノール(DNP)を含む培養液で水耕栽培し,P,K,Ca,Naの吸収量を測定した。NaN_3によるP,Ca,Naの吸収阻害を調べた結果,Pの吸収はいずれの草種においても強い阻害を受けたが,Caの吸収は弱い阻害しか受けなかった。また,Naの吸収はローズグラス,グリーンパニックでは強い阻害を受け,イタリアンライグラスにおいてもかなりの阻害を受けたが,シコクビエ,チモシーでは弱い阻害しか受けなかった。DNPによるP,K,Ca,Naの吸収阻害を調べた結果,P,Kの吸収は10^<-5>mol/l以上のDNP濃度でともに強い阻害を受け,10^<-4>mol/l以上のDNP濃度では負の吸収を示した。之に対してCaの吸収は弱い阻害しか受けなかった。一方,Naの吸収はDNPによる阻害の程度が草種によって異なり,ローズグラス,グリーンパニックではPやKの吸収と同様に強い阻害を受け,イタリアンライグラスにおいてもかなりの阻害を受けたが,シコクビエ,チモシーではCaの吸収と同様に弱い阻害しか受けなかった。以上の結果から,少くともローズグラスやグリーンパニックにおけるNaの吸収は体内の代謝作用とかなり密接に関係していることが推察された。
日本草地学会の論文
1990-07-31

数種の飼料作物のナトリウム吸収に及ぼす代謝阻害剤の影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク