早期胃癌に対する腹腔鏡下手術の治療成績(<特集>第10回北里腫瘍フォーラム)

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
我々は1995年5月より2005年12月までに胃癌に対する腹腔鏡下手術を202例に行ってきた。内訳は胃局所切除術が32例,リンパ節郭清を伴った胃切除術が170例であった。手術適応は,前者は内視鏡的粘膜切除が困難な粘膜癌,後者はそれ以外の早期胃癌である。腹腔鏡下胃局所切除術では切除断端陽性の1例とsm浸潤癌の1例に追加治療が必要だった。腹腔鏡下胃切除術は同時期に施行した開腹術と比べ手術時間は長かったがリンパ節郭清個数は同等で,鎮痛剤使用回数は少なく術後入院期間は短かった。術後合併症として縫合不全を3例,腹腔内膿瘍を1例認めたが全例保存的に軽快した。腹腔鏡下胃局所切除は内視鏡治療,特に切開剥離法の普及により適応例は限定されてきた。一方,腹腔鏡下胃切除術は,根治性と術後の良好なQOLを兼ね備えており早期胃癌に対する標準術式になり得ると考えられる。
北里大学の論文
2006-12-31

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク