現代企業の組織変革 : 近代と脱近代の接近
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概要
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最近の企業の組織変革には,次のような特徴がみられる。大量生産市場を背景に成長してきた近代ビジネス組織のいくつかが近代ビジネス組織の原理に反する組織改革を進め,それと同時に逆方向の組織改革,つまりニッチ市場で成長してきた脱近代ビジネス組織のいくつかが,脱近代ビジネス組織の原理に反する組織改革を進めるという特徴である。本来は相反する原理をもつはずのこれら2タイプのビジネス組織がある共通した地平に向けて組織変革を実行しているのである。これまで「ハイアラキーVS市場」という枠組みで企業組織を理解してきた新制度派経済学の議論は,企業組織内部に発達する「内部市場」を説明できない。内部市場に着目すれば,企業をハイアラキー構造として単純化するのではなく,企業組織をハイアラキーと内部市場の2要素の相互依存関係の場として動態的に理解できる。近代と脱近代のビジネス組織の各々の組織特性や,近代ビジネス組織と脱近代ビジネス組織が互いに他の組織特性を導入し,ハイブリッド化している昨今の組織変革も,それら2要素の相互依存関係の相違から導き出せる。そのようなハイブリッド化の状況をいくつかのケースをとりあげて説明する。
- 千葉商科大学の論文
- 2006-12-31
著者
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