組織進化論 : 「組織化」の理論を中心に
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概要
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「組織進化論 (Evolutionary Theory of Organization)」と呼ばれる趨勢は,経営組織論における展開を見れば,1960年代後半から半世紀近くに渡って展開されていることが確認できる。しかし,その分析と体系化の規模は,21世紀に入った今日においても,これまでの歴史的規模と必ずしも比例しているとは言えない。そのような問題意識に基づき,本稿は,経営組織論の一般的な方法論的基盤に関する検討を前提として,組織進化論の諸論,特に組織化の理論に関する把握と検討を行っている。一般的な経営組織論の趨勢は,チェスター・バーナードによる近代組織論の確立以降,環境決定論的な方法論を主体としたものであった。これに対し,組織進化論は,1960年〜80年代からの企業などの組織を巡る不確実性を鑑み,従来の環境適応に基づく方法論への問題提起を基盤としている。また,展開された諸論の特徴を総合すると,進化論的な「変異→淘汰→保持」の生態的プロセスを基調として,組織行動を説明した趨勢,と定義できる。しかし,その基盤を構成してきた組織化に関する議論においては,複雑性(多様性)を除去するという問題があり,今日的な議論としてはそのような点が方法論的な課題となりうると考えられる。
- 2006-09-30
著者
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