膀胱全摘除術を施行した膀胱癌の臨床的病理組織学的研究

元データ 1988-02-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

1971年から1986年12月までの16年間に鹿児島大学泌尿器科において施行された膀胱全摘除術症例97例中検索可能な91症例について臨床的及び病理学的検討を行った.浸潤度別5年実測生存率は,pT1 71%,pT2 55.6%,pT3a 26.5%,pT3b 19.1%と,pT2とpT3aとの間に統計学的有意差を認めた(p<0.01).Grade別では,Grade1 100%,Grade2 70.4%,Grade3 28.4%とGrade2とGrade3との間に有意差を認めた(p<0.05).リンパ管侵襲別の予後では,ly0とly1,ly2との間に有意差を認めたが,静脈侵襲の有無については,有意差を認めなかった.また,膀胱全摘除術後の部位別転移再発頻度は,リンパ節13.2%,骨4.4%,肝3.3%の順であった.尿道再発は4例(4.4%)に認められ,うち2例に肝転移,1例に骨盤内再発を認めた.リンパ節転移の頻度では,内腸骨リンパ節が23.1%と最も多く,次いで閉鎖節11.3%,外腸骨リソパ節6.2%の順であった.脈管侵襲と転移再発及び予後との関連では,局所再発症例9例すべてが,ly(+),遠隔転移症例9例中7例(77.8%)がly2であり,Grade,Stageとともにリンパ管侵襲の有無が膀胱全摘除術後の予後に大きな影響を及ぼすものと思われた.

著者

大井 好忠 鹿児島大学医学部泌尿器科
後藤 俊弘 鹿児島大学医学部泌尿器科
川原 元司 鹿児島大学医学部泌尿器科
大井 好忠 鹿児島大学
後藤 俊弘 鹿児島大学
下稲葉 耕生 鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
川原 元司 鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科感染症制御学
坂本 日朗 柏葉会水間病院 泌尿器科
下稲葉 耕生 福岡大学 医学部泌尿器科学
八木 静男 鹿児島大学病院腎泌尿器センター
八木 静男 八木クリニック
白浜 勉 鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
八木 静男 鹿児島大学 大学院小児発達機能病態学分野
落司 孝一 鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
陳 英輝 鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
柿木 敏明 鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
坂本 日朗 鹿児島大学医学部泌尿器科
白浜 勉 鹿児島生協病院泌尿器科
陳 英輝 鹿児島大学医学部泌尿器科
柿木 敏明 鹿児島大
落司 孝一 肝属郡医師会立病院泌尿器科
柿木 敏明 鹿児島大学医学部泌尿器科

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