中国国有林における多角経営の展開過程 : 吉林省・白河林業局の事例より
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概要
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採取林業を展開してきた中国国有林は,資源保続と地域社会の運営という二つの課題に直面し,国有林多角経営は,これらの課題に直接的に応える要素をもつ。本稿は,その経営が集団経営か家族経営か,国有林区の自然資源由来のものか否かという視点で,国有林多角経営の史的展開を明らかにした。国有林多角経営は,集団経営による失業救済機能を果たし経営本体にも貢献し,1970年代,80年代を通して集団経営を通じた展開が模索された。職工の個別経営部分である家族経営は,文革期の大打撃を経て,1992年の社会主義市場経済体制実施以降に初めて全面的開花の条件が整った。1990年代後半以降の中国林政は,資源の絶対的制約を背景として多角経営に対する注目度を高め,集団・家族多角経営ともに展開方向を模索する段階となっている。国有林経営は,脱林業・多角経営化を志向しつつ,地域社会存続へ果たす役割によって評価を待つことになる。
- 2005-12-01
著者
-
山本 美穂
Faculty Of Agriculture Utsunomiya University
-
金 玉善
東京農工大学連合農学研究科
-
山本 美穂
宇都宮大学農学部
-
笠原 義人
宇都宮大学農学部
-
笠原 義人
宇都宮大学農学部森林科学学科
-
笠原 義人
宇都宮大学
-
山本 美穂
宇都宮大学農学部森林科学科
-
山本 美穂
宇都宮大学大学院農学研究科
-
山本 美穂
宇都宮大学
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