正常妊婦と外来通院切迫早産妊婦の生活活動内容と活動強度の比較

概要

論文の詳細を見る
この研究の目的は,正常妊婦と外来通院切迫早産妊婦の活動内容と活動量および活動強度を測定し,外来通院切迫早産妊婦の自宅安静中の活動の評価を行い,必要な指導・援助を検討することである。研究対象は,妊娠22〜37週未満で切迫早産と診断され,安静あるいは安静と子宮収縮抑制剤の内服を指示された女性14名と妊娠22週以降37週未満で妊娠経過が正常な女性11名である。生活習慣記録機(ライフコーダーEX;スズケン礼装)を対象の腰部に3日間装着し,同時に生活活動記録用紙の記載を依頼した。その結果,1日の平均歩数および平均活動消費エネルギーは外来通院切迫早産妊婦と正常妊婦とでは差がなかった。活動項目数は外来通院切迫早産妊婦が正常妊婦を上回っていた。すべての活動は通常歩く程度の活動強度3までにあり,その多くが活動強度1未満の極軽度な活動を示していた。正常妊婦,外来通院切迫早産妊婦とも全員が満期産であった。切迫症状が悪化した場合は,入院安静とし活動を制限する必要があるが,外来に通院しながら管理する場合,日常的な活動範囲内での生活をすることで安静指示の必要性は低いと考える。