双子の母親の育児不安に影響する要因 : 不妊治療と育児の実態

概要

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双子を産み育てる家族への支援の充実をはかるため,双子の母親の不妊治療における問題点や育児不安の実態とともに,育児不安に関連する要因を検討した。対象はO〜3歳未満の双子をもつ母親105名である。調査内容は不妊治療の有無と治療の内容,育児不安や疲労度であった。その結果,不妊治療で双子を出産した母親は56%であり,不妊治療の際,多胎妊娠について説明のあったのは70%であった。また,不妊治療をして双子ができたのか,と聞かれたことのある母親は88%であった。育児不安については初産婦と経産婦で差がみられ,「育児について心配なことがある」「何となく育児に自信がもてない」など初産婦のほうが育児に自信がもてない傾向があり,また児の月齢が高いほうが,「子どもを虐待しているのではないかと思う」「子どものことがわずらわしくてイライラする」など母親が精神的に追い詰められていることが多かった。夫が相談相手ではない母親のほうが,「何かというと子どもに目がいき気疲れする」が多かった。不妊治療中を含め双子の妊娠から育児期まで,それぞれの家族の状況に応じた,きめの細かいケアの実践が求められる。
日本母性衛生学会の論文