培養神経細胞におけるアデノシンA2A受容体アゴニスト(CGS-21680)のL型Ca2+チャネルに対する効果
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概要
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細胞外空間におけるATPやアデノシンは神経系において神経修飾因子として知られている。神経系におけるアデノシンの生理的機能を検索することを目的として、培養下の大脳基底核線条体ニューロンを用いて、アデノシンA2A受容体アゴニスト(CGS-21680; 0.01〜100μM)の投与前後における高閾値L型Ca2+チャネル電流の変化を観察した。Ca2+電流はCGS-21680に対して濃度依存性に増加し、投与前後の電流比は1.01(0.01μM)から1.48 (100μM)まで増加した。この増加率は、Hill曲線ではEC50=4.9±0.07μMでHill係数は0.25だった。細胞外液におけるA1及びA3受容体アンタゴニスト存在下では、CGS-21680に対する電流増加率は変化がないところから、A2A受容体のCa2+チャネルに対する作用は、他のサブクラスの受容体との相関関係はなく特異的な作用と考えられる。50μM GDPβSを含む記録電極を用いた記録では、CGS-21680によるCa2+電流の増加はみられなかったことから、A2A受容体のL型Ca2+チャネルに至る細胞内情報伝達系にGタンパクが関与することが確認された。
- 埼玉県立大学の論文
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