血清CA19-9値が異常高値を示した胆嚢炎の1例
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概要
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症例は54歳の女性で,心窩部痛・発熱にて受診し,腹部USにて胆石・胆嚢炎を認め入院となった.入院時検査で血清CA19-9値が26,780U/mlと著明な高値を呈した.抗生剤投与により炎症は軽快し,CA19-9値も10,060U/mlまで低下したが,依然高値であった.諸検査の結果,高CA19-9値は胆嚢炎によるものと考えられ,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.摘出標本の病理組織学的検索にて胆嚢壁に強い炎症を認めた.また,免疫組織染色ではRokitansky-Aschoff sinus上皮にCA19-9の強発現を認めた.術後にCA19-9値は49U/mlまで低下し,外来通院中も再上昇は認めていない.血清CA19-9値は良性疾患,ことに胆石症においても高値を示すことはあるが,10,000U/ml以上を呈することはまれである.CA19-9高値症例の検討から,炎症がCA19-9値上昇に強く関与していると思われた.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2007-04-01
著者
-
堤 雅弘
済生会中和病院臨床病理科
-
明石 諭
国保中央病院外科
-
堤 雅弘
済生会中和病院病理
-
今川 敦史
済生会中和病院外科
-
細井 孝純
済生会中和病院外科
-
山本 雅敏
済生会中和病院外科
-
明石 諭
済生会中和病院外科
-
今川 敦史
済生会中和病院
-
明石 論
済生会中和病院外科
-
堤 雅弘
済生会中和病院
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