指導現場にみる肥満主婦の特徴 : 事例を通して
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概要
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肥満の主婦を対象に減量教室を行なった.受講生の食生活の特徴は,好きな食べ物は「おやつ」「穀類」であった.「油物は控えめ」「うす味」「野菜を多め」に気をつけている人が多いが,実際には野菜の摂取量は不足していた.また,自己流で非科学的なダイエットの繰り返しをしており,健康に強い関心を持ち,断片的な健康情報に振り回され,健康食品を多量に摂取していた.以上を踏まえた指導の結果,体重は5ヶ月間で平均4.9kg減少した(平均減量率7.9%).減量率5%以上を「有効」とした場合の有効群は11名,無効群は4名であった.有効例では講座2回目からバランス型紙に基づいた食の改善がなされ,「三度の食事を大切に」「たんぱく系食品6品目」の実行がおやつの摂取に歯止めをかけていた.併せて「家族の協力」が見られた.減量がQOLの向上につながり,それが更なる「やる気」への動機付けとなっていた.無効例では「家族の協力不足」「調理技術の不足」が減量を妨げていた.しかし受講中の体重減少はわずか1kgであったが,「愁訴」の改善がみられ,受講後の継続指導により半年後に体重が2kg減少した.今後も,以上のような肥満主婦の特徴を踏まえつつ,長期にわたる支援対策,自分の問題点に気づいているが行動に移せない人へのアプローチ法が必要であることが示唆された.
- 武庫川女子大学の論文
著者
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小西 すず
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科栄養クリニック
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鈴木 秋子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科栄養クリニック
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増村 美佐子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科栄養クリニック
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南部 征喜
武庫川女子大学 大学院 生活環境学研究科
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武本 妥賀世
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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塚本 悦子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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西山 由貴子
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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吉村 有加
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科
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小西 すず
武庫川女子大学生活環境学部
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