精神科デイケアの機能に関する一考察 : 参加観察をとおして
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概要
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本研究の目的は,デイケアがメンバーを惹きつける要因を探り,実際にデイケアが果たしている機能について検討することである。デイケアメンバーを対象に主に参加観察法を行なった。結果,「デイケア場面がメンバーを惹きつける要因」と「プログラム場面がメンバーを惹きつける要因」と2つに整理できた。前者には,(1)家族から距離をとれること,(2)社会復帰(就労)の準備ができること,(3)他者との接点がもてること,(4)家以外に居られる場であることがあげられる。後者には,(1)役割をもてること,(2)自らの意志で自由に選択できること,(3)特定の人物と交流できること,(4)興味・関心が一致していることがあげられる。さらに,メンバーが生活する地域社会的背景や家族との関係を含む生活形態,それぞれの精神症状や身体症状および身体疾患が内的状況と関連していることが示唆された。また,メンバーの生活を維持し,自分らしいより快適な生活を構築する場であることが,当精神科デイケアの機能の一つであると考えられた。
- 弘前大学の論文
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