下肢伏在静脈瘤に対するRadiofrequency obliteration治療のAir plethysmographyによる効果判定

概要

論文の詳細を見る
下肢伏在静脈瘤に対しradiofrequency energyによるendovenous obliterationを施行し,1ヵ月以上経過した12例17肢(男性3例5肢,女性9例12肢)において,術後1ヵ月目の治療成績について検討した。治療成績の判定には,air plethysmography(APG)検査と超音波エコー検査を用いた。目的とした範囲の大伏在静脈は,操作終了直後のエコー検査では全肢で完全閉塞を得ることができたが,術後1ヵ月目に1肢(5.9%)で再疎通を認めた。血栓症などの重篤な合併症は全例で認めなかったが,術翌日に焼灼部の疼痛や感覚異常を5肢(29%)で認めた。しかし,術後1ヵ月目には全肢で症状が軽減した。APG検査では全肢において術前より術後でvenous filling index(以下,VFI)が続計学的に,有意に改善していた。即ち,術前VFIは平均5.1±3.4(1.3〜12)であったが,術後1ヵ月のVFIは平均2.1±1.4(0.5〜5.1)に改善した。本法は,定型的ストリッピング術と比較して低侵襲的治療法であり,伏在神経損傷などの術後急性期合併症についても軽減できたことから有効な治療法である。しかし,蛇行が著しいなど不可能な症例もあるので,適応については十分な検討が必要であると考えられる。更に長期のフォローアップも必要である。
金沢医科大学の論文