障害者等との接触経験の質と障害学生との交流に対する健常学生の抵抗感との関連について : 障害者への関心度,友人関係,援助行動,ボランティア活動を中心に
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概要
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本研究では,障害者等との自主的な接触を障害者についての関心度と友人関係,及び障害者などへの助力的援助,親密な援助,ボランティア活動の5つに分け,それらと障害学生との交流に対する健常学生の抵抗感との相対的関連を検討した。このため,「関係」と「主張」の2尺度(河内,2003)を用い569名の健常学生に質問紙調査を実施した。2尺度の刺激人物の4障害条件(視覚,聴覚,運動,健常)別に数量化理論I類を適用した。その結果,視覚と聴覚の障害条件では障害者への関心度と障害のある友人との関係が「関係」尺度と,また障害者等への助力的援助が「主張」尺度と関連が強く,関心度や助力的援助頻度が高く,障害のある友だちのいる者は障害学生との交流への抵抗感の弱いことが明らかになった。しかし聴覚障害条件だけに関連のあったボランティア活動では,過去経験者は未経験者よりも抵抗感が強く,負の成果が示唆された。一方,親密な援助は,全てで関連が認められず,抵抗感と障害者との自発的な接触とが単純な関係にないことも明らかとなった。また,「関係」尺度では,刺激人物の障害条件と友人の障害種別との間で,抵抗感の程度に対応関係が認められた。
- 日本教育心理学会の論文
- 2006-12-30
著者
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