神奈川県にみられるモミ自然林の植物社会学的研究
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概要
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1,神奈川県,丹沢,大山,箱根,湯河原及び静岡県,伊豆半島天城山にみられるモミ自然林の植物社会学的研究を行った.2.植物社会学的研究の結果,調査対象地のモミ林はモミ-シキミ群集に位置づけることができ,以下の4亜群集に分類することができた.モミ-シキミ群集 a.アカガシ亜群集 b.典型亜群集 c.ツガ亜群集 d.ブナ亜群集3.モミ-シキミ群集はモミ帯を形成し,中間温帯林の中核的群落を形成するものと考えられる.モミ-シキミ群集は暖温帯林と冷温帯林の構成要素をもち,分布範囲が広いが典型部は独立性があり,表日本において往々にしてモミ帯を形成する.4.モミ林とツガ林の関係は神奈川県内でみる限り,モミ-シキミ群集内に土地的にツガ-コカンスゲ群集が分布し,両群集が複合して生育していると考えられる.5.調査地の代表的な林分に帯状区を設定し,樹冠投影図を描き,帯状区内に出現する樹木の樹高および胸高直径を測定し,林床植物の優占度を記載し,群落構造を明らかにした.The Abies firma forests at the Mts. Tanzawa and the Mts. Hakone in Kanagawa Prefecture were recognized as the Illicio-Abietetum firmae SUZ.-Tok. (1961) which was subdivided into the following subassociations: Subass. of Quercus acuta Typical subassosiation Subass. of Tsuga sieboldii Subass. of Fagus crenata These Abies firma forests investigated were recognized as an independent assosiation. They were found in the temperate ecotone between the warm temperate zone and cool temperate one. These forests were scattered from 400m to 1000m above sea-level.
- 横浜国立大学の論文
- 1987-03-25
著者
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