商業政策の決定要因としての消費市場 : フロリダ州中北部地域における市場外流通の事例を通して
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概要
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商業政策を考えるうえでの消費市場の特徴がもつ意味を検討することを本稿は目的としている。そのためにアメリカのフロリダ州中北部地域にある小都市ゲインズビルにおけるファーマーズマーケットを主たる事例として,市場外流通の存立状況を知ることを通してアメリカ全体の消費市場の特徴を主に日本と比較しながら検討した。それは,2000年を境に大きく転換した日本の小売商業政策がアメリカのその政策体系に大きく依拠したものとなったことから,消費市場の属性が異なる国同士の間で手法の類似した政策を展開したことの評価を通して政策と消費市場との関係を探るためである。大きく転換した日本の小売商業政策は必ずしも成功しているとはいえない状況であるが,その背景にはそもそも消費者の購買行動や購買指向が異なりそれに対応した小売業態の展開があったにもかかわらず,独自の政策手法を完全に放棄しアメリカ型の政策を導入したこと自体に問題があったと考えられる。商業政策を考えるうえでその背景にある消費者の購買行動や暮らし方すなわち消費市場のあり方を検討することが極めて重要であることが確認された。
- 千葉商科大学の論文
- 2005-09-30
著者
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